【後悔しない】鳶職と足場屋、結局どっち?未経験者が知るべき仕事内容の根本的な違い 

「手に職をつけて、将来も安定して稼ぎたい」

そう考えたとき、建設現場で活躍する「鳶職」や「足場屋」という仕事が、選択肢に浮かぶかもしれません。高所でダイナミックに働く姿は、たしかに魅力的です。


しかし、いざどちらかを選ぼうとすると、「具体的に何が違うのかよく分からない」「どちらが自分に向いているんだろう」と悩んでしまうのではないでしょうか。きつい仕事だという覚悟はあっても、本当に稼げるようになるのか、将来性はあるのか、という不安も尽きないはずです。


実は、「なんとなくカッコよさそう」といった曖昧な理由だけで会社を選んでしまい、「こんなはずじゃなかった」と数ヶ月で現場を去ってしまう若者は少なくありません。それは、仕事内容の本質的な違いや、会社ごとの労働環境、そして将来のキャリアパスについて、深く知る機会がなかったからです。


この記事では、そうした後悔をしないために必要な情報だけをまとめました。鳶職と足場屋の決定的な違いから、現場のプロが語る仕事のリアル、そして5年後、10年後も安心して働き続けられる「優良企業」の見極め方まで、一つひとつ丁寧に解説していきます。この記事を読み終える頃には、あなたがどちらの道に進むべきか、そしてどんな会社を選ぶべきか、その答えが明確になっているはずです。


【この記事の目次】

・仕事内容から給料まで徹底比較!鳶職と足場屋の決定的違い

・現場のプロが語る本音。「正直キツい」ことと、それを乗り越えた先の「最高のやりがい」

・要注意!未経験者がハマりがちな「ブラック企業」3つの特徴

・5年後、市場価値の高い職人になるための「優良企業」の見極め方

・不安を解消し、最初の一歩を踏み出そう




■ 仕事内容から給料まで徹底比較!鳶職と足場屋の決定的違い

鳶職も足場屋も、「建設現場の高所で作業する職人」という点では同じです。しかし、その目的と役割には大きな違いがあります。一言でいえば、足場屋は「作業のための道をつくる仕事」、鳶職は「建物の骨格そのものをつくる仕事」です。それぞれをもう少し詳しく見ていきましょう。



・足場鳶(足場屋)の仕事

足場屋の主な仕事は、他の職人が安全かつ効率的に作業できるよう、現場に「足場」という仮設の作業床や通路を組み立て、工事が終われば解体することです。工事の最初に入り、最後に撤収する、いわば「現場のインフラ」を担う存在と言えます。作業の正確さはもちろん、後の工程に影響しないようスピーディーに組み上げる技術が求められます。新築工事だけでなく、改修工事や解体工事など、あらゆる現場で必要とされる専門職です。



・鳶職(鉄骨鳶・重量鳶)の仕事

一般的に「鳶職」というと、建物の骨組みとなる鉄骨をクレーンで吊り上げ、高所で組み立てていく「鉄骨鳶」を指すことが多いです。建物のまさに心臓部をつくる花形の仕事であり、図面を正確に読み解く知識と、ミリ単位の精度で鉄骨を操る高度な技術、そしてチームでの緻密な連携が不可欠です。

また、鳶職の中には、ショッピングモールのエスカレーターや工場内の大型機械といった、何トンもある重量物を専門に搬入・設置する「重量鳶」という分野もあります。



・給料や将来性はどう違うのか

未経験からスタートした場合の初任給は、どちらも大きく変わらないことがほとんどです。しかし、将来的な給料の伸びしろは、身につけるスキルや資格によって変わってきます。

例えば、足場専門の会社で技術を極める道もあれば、足場の組立から鉄骨の建方まで一貫して請け負う総合的な技術力を持つ企業で、幅広いスキルを身につける道もあります。後者のような環境であれば、様々な現場に対応できる市場価値の高い職人へと成長しやすく、より高い収入を目指すことも可能になります。




■ 現場のプロが語る本音。「正直キツい」ことと、それを乗り越えた先の「最高のやりがい」

この仕事は、決して楽なものではありません。華やかなイメージの裏側にある、現場のリアルな一日と、そこで働く職人たちが感じる本音をお伝えします。



・とある職人の一日

朝は早いです。会社に集合し、その日の現場で使う資材や道具をトラックに積み込み、仲間と共に現場へ向かいます。現場に着くと、まず朝礼でその日の作業内容や危険箇所を確認し合う「危険予知活動」を行い、全員の安全意識を統一してから作業を開始します。

午前中は、集中力を高く保ちながら、仲間と声を掛け合い、連携して作業を進めます。お昼休憩では、他愛もない話をしながらリラックスし、午後の作業への英気を養います。午後は天候や進捗状況を見ながら、臨機応変に対応することが求められます。作業が終われば、現場をきれいに清掃し、明日の準備をしてから帰路につきます。



・正直、ここが一番キツい

体力的な厳しさは避けて通れません。特に真夏の炎天下での作業や、凍えるような冬の寒さの中での作業は、想像以上に体にこたえます。高所での作業には常に危険が伴うため、一瞬たりとも気を抜けない緊張感が続きます。

また、一人前の職人になるまでには、覚えることも多く、地道な努力が必要です。「見て覚えろ」という昔ながらの職人気質な現場もまだ残っており、もしそうした環境に入ってしまうと、成長を実感できずに心が折れてしまうこともあるかもしれません。



・それでも、この仕事を選ぶ理由

こうした厳しさを乗り越えた先に、この仕事でしか味わえない、何物にも代えがたい喜びがあります。

それは、何もなかった場所に、自分の手で巨大な建造物が少しずつ形になっていくのを目の当たりにする達成感です。工事が完了し、足場を解体した時に現れる建物の全景を見た時の感動は、言葉にできません。

「あのタワーマンションは、俺たちが建てたんだ」。街を歩き、自分が手掛けた建物の前を通るたびに、誇らしい気持ちになります。家族や友人に自慢できる仕事、地図に残る仕事。それが、多くの職人たちがこの仕事を続ける一番の理由なのかもしれません。




■ 要注意!未経験者がハマりがちな「ブラック企業」3つの特徴


せっかく覚悟を決めてこの世界に飛び込んでも、会社選びを間違えれば、貴重な時間を無駄にするだけでなく、心身をすり減らしてしまうことになりかねません。ここでは、特に未経験者が注意すべき「避けるべき会社」の3つの特徴を具体的に解説します。



・特徴1:安全管理がずさんで、怪我のリスクが高い

「安全帯をつけなくても大丈夫」「ヘルメットは面倒だから被らなくていい」といった、基本的な安全ルールを軽視する空気が蔓延している会社は非常に危険です。利益や工期を優先するあまり、本来やるべき安全対策を怠っているのです。こうした環境では、いつ重大な事故が起きてもおかしくありません。面接の際に、安全管理の具体的な取り組み(定期的な安全教育や道具の点検など)について質問し、明確な答えが返ってこない場合は注意が必要です。



・特徴2:「見て覚えろ」が常識で、いつまでも成長できない

「技術は盗むものだ」という考え方が悪いわけではありませんが、それを言い訳に、新人への丁寧な指導を放棄している会社も存在します。右も左も分からない未経験者に対して、具体的な指示も出さずに「なんでできないんだ」と怒鳴るだけ。これでは、技術が身につかないどころか、働く意欲そのものを失ってしまいます。新人向けの研修プログラムや、先輩がマンツーマンで指導するメンター制度のような仕組みがあるかどうかは、若手を育てる気がある会社かどうかを見極める重要なポイントです。



・特徴3:資格取得の支援がなく、給料が全く上がらない

この業界で給料を上げていくには、「玉掛け」や「足場の組立て等作業主任者」といった国家資格の取得が不可欠です。しかし、中には「資格は自分で勝手に取れ」と、費用も時間も一切サポートしてくれない会社があります。これでは、いつまで経っても見習いレベルの仕事しか任されず、給料も上がりません。資格取得にかかる費用を会社が全額負担してくれるか、資格取得のための講習に参加させてもらえるかなど、スキルアップを後押ししてくれる制度の有無は必ず確認しましょう。




■ 5年後、市場価値の高い職人になるための「優良企業」の見極め方


では、逆にどのような会社を選べば、安心して働きながら、職人として着実に成長していけるのでしょうか。セクション4でお伝えした「避けるべき会社」の特徴を裏返せば、自ずと答えが見えてきます。



・見極めポイント1:徹底された安全管理と、そのための具体的な取り組み

優良企業は、職人の安全を何よりも最優先します。毎日のKY活動(危険予知活動)はもちろん、定期的な安全大会の開催、最新の安全器具への投資などを積極的に行っています。職人の命を守ることが、結果的に会社の信頼と成長に繋がることを知っているからです。会社のウェブサイトや面接の場で、安全への具体的な投資や取り組みについて、自信を持って説明できる会社は信頼できる可能性が高いでしょう。



・見極めポイント2:未経験者向けの丁寧な研修・教育プログラム

若手を「会社の未来を担う財産」と捉えている企業は、教育への投資を惜しみません。入社後の数ヶ月間は、いきなり現場に出すのではなく、まずは安全教育や基本的な道具の使い方、資材の名前などを座学でじっくり教える期間を設けています。現場に出てからも、経験豊富な先輩が指導役としてつき、一つひとつの作業の意味やコツを丁寧に教えてくれます。こうした環境であれば、未経験者でも安心してプロへの一歩を踏み出すことができます。



・見極めポイント3:全額会社負担などの手厚い資格取得支援制度

社員の成長を本気で願う会社は、資格取得を全面的にバックアップします。受験費用や講習費用を全額負担してくれるのはもちろんのこと、試験前には先輩が勉強を教えてくれるなど、会社全体で合格をサポートする文化が根付いています。資格を取れば、任される仕事の幅が広がり、それが給与にもしっかりと反映される。こうした好循環がある会社こそ、長く働き続ける価値のある場所です。


このような会社で経験を積めば、あなたはただの作業員ではなく、現場を動かすことのできる市場価値の高い職人へと成長していけるはずです。見習いから始まり、職長としてチームをまとめ、将来的には現場全体を管理する施工管理技士への道も開けてきます。もし、どんな会社を選べば良いか迷ったら、ぜひ一度、詳しい仕事内容やキャリアプランについて話を聞いてみてください。

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■ 不安を解消し、最初の一歩を踏み出そう


ここまで、鳶職と足場屋の違いから、後悔しないための会社選びの軸までを解説してきました。


大切なのは、表面的なイメージだけでなく、仕事内容の本質を理解し、「安全」「教育」「成長支援」という3つの視点で、これから働く場所を冷静に見極めることです。それが、あなたの5年後、10年後のキャリアを大きく左右する、最も重要な分かれ道となります。


もしかしたら、この記事を読んでも、「自分に本当に務まるだろうか」「未経験でも大丈夫だろうか」という不安が、まだ完全には拭えないかもしれません。その気持ちは、とてもよく分かります。


だからこそ、私たちは、いきなり「応募してください」とは言いません。まずは、あなたが抱えている不安や疑問を、私たちに直接ぶつけてみませんか。現場の雰囲気はどんな感じか、どんな先輩たちが働いているのか、一日の詳しい流れはどうなっているのか。どんな些細なことでも構いません。まずは話を聞いて、あなたが納得できるかどうかを判断してほしいのです。


私たちは、未来ある若者を、会社の財産として、一人前の職人に育て上げることに情熱を注いでいます。あなたからのご連絡を、心からお待ちしています。

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